ジェネリック医薬品活用術

国民医療費が毎年増大するなか、医療費の抑制につながると期待されているのが「ジェネリック医薬品」。新薬からジェネリック医薬品に変更することで、みなさんの家計にもやさしく、さらに医療費の節減にも大きな効果が期待できます。ジェネリック医薬品のメリットを正しく理解し、医療費の節減にご活用いただけるよう、ぜひ、ご一読ください。

ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは?

医療機関で処方される医薬品には、新薬(先発医薬品)とジェネリック医薬品(後発医薬品)があります。 新薬はその研究・開発に長い年月と莫大な費用がかかるため、独占して販売できる特許期間が20~25年あります。この特許期間が切れると、同じ有効成分の薬を他のメーカーでも製造できるようになります。これをジェネリック医薬品といい、新薬に比べて、2~7割の価格に設定されています。

医薬品の種別

一般医薬品 薬局・薬店・コンビニなどで買える薬
(薬局で薬剤師に相談して購入できる薬はOTC薬とも言います。)
医療用医薬品 医療機関を受診したときに処方される薬
  • 新薬(先発医薬品):特許期間のある薬
  • ジェネリック医薬品(後発医薬品):特許期間が切れた新薬と同じ有効成分を配合した低価格の薬

新薬と比べて効き目の違いは?

ジェネリック医薬品は、長期の使用により有効成分の安全性が確かめられた新薬をもとに、同等の量や速さで有効成分が血液中に入っていくかどうかを調べる試験など、品質や安全性の基準をクリアしてから発売されています。ただし、有効成分が同じでも、他の添加物などの成分も同じものを使用していなかったり、カプセルの質や錠剤化が異なるなど、製法に若干の差があります。新薬とすべて同じではありませんが、その添加物などは安全性の基準をクリアし、承認されています。

ジェネリック医薬品を選択するとこんなにお得

新薬からジェネリック医薬品に変えると、窓口で支払う薬代を安くできます。かぜなど短期間しか服用しない薬ではさほど変わりませんが、脂質異常症や高血圧症、糖尿病といった慢性的な病気で、長期にわたり薬を服用する人の場合は、大きく薬代を減らすことができます。

  • ※上記は薬代のみの参考値です。実際に窓口で支払う金額は薬代に調剤技術料や薬学管理料などが加算されます。

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ジェネリック医薬品に替えてもらうには?

まずは医師に聞いてみましょう

現在治療中の方で、ジェネリック医薬品に変更されていない場合は、医師に尋ねてみましょう。なかなか言いにくいかもしれませんが、「私もジェネリック医薬品を使えますか?」の一言で薬代が大幅に安くすむかもしれません。厚生労働省の働きかけもあり、ジェネリック医薬品の活用に積極的に取り組む医療機関が増えています。あまり難しく考えずに、気楽に尋ねてみましょう。

処方せんの「変更不可」欄をチェック

従来の処方せんには「後発医薬品への変更がすべて不可の場合の署名」欄があり、複数の薬が処方されていて1つでも変更できない場合に医師の署名等があると、すべての薬がジェネリック医薬品に変更できませんでした。これが、2012年4月から薬ごとに変更の可否が示される様式に変わったため、よりジェネリック医薬品に変更しやすくなりました。
ただし、まだジェネリック医薬品のない新薬もあります。現在治療中で、院外処方の調剤薬局で薬を受け取っている方は、ジェネリック医薬品に変えられるものがあるかどうかを薬剤師に調べてもらうとよいでしょう。
医師は、病状が安定しているときは、それまで使っている新薬の方が効果があり、そのまま使ったほうがよいと考え、ジェネリック医薬品に変えることに慎重になる場合もあります。
そういうときは、処方せんの「変更不可」欄にチェック、または×を記入し、変更しないように薬剤師に指示します。そのような記入のない薬については、患者の意思でジェネリック医薬品に変更することができます。

「お試し切り替え」もできます

いきなりジェネリック医薬品に切り替えるのは心配という人には、処方された日数を分割することができます。たとえば4週間分の薬のうち、まず1週間分だけ調剤してもらい、服用して問題がなければ残りの3週間分を調剤してもらうことができます(分割調剤)。なお、この分割調剤をした場合には、薬局に「後発医薬品分割調剤料」を支払うことになっています。詳しくは薬剤師にご相談ください。

品質の情報をご確認ください

品質が保たれているかをチェックするため、品質再評価が実施されています。
こうした結果については「医療用医薬品品質情報集」(通称:オレンジブック)にまとめられ、ホームページ上で公開されています。